マイナビ財団では、こどもたちが多様な体験や出会いを通じて、自分の可能性や将来の選択肢を広げられるよう、さまざまな機会を届けてきました。私たちが考える「体験」は、特別なイベントや珍しい経験だけではありません。新しい出会いや発見、小さな挑戦の積み重ねも、大切な体験です。これまで多くのこどもたちと出会う中で、私たちは体験の先にある小さな変化や成長を見てきました。その姿は、活動の内容だけでは伝わりきらないこともあります。だからこそ、【こどもたちの一歩】では、こどもたち自身の言葉を通して、その一歩一歩をお届けしていきます。

今回ご紹介するのは、2日間にわたり開催したお寿司イベントに参加した中学2年生・男子のアキさん(仮名)です。将来への不安を抱えていたアキさんの気持ちが少し前向きに変わった「一歩」をご紹介します。
お寿司屋さんを支えるさまざまな仕事と出会うプログラム
アキさんが参加した「おいしい舞台を社会科見学@お寿司屋さん」では、寿司握り体験や本社見学のほか、お寿司屋さんを支える仲卸、採用、広報、IT担当など、多様な仕事をする方々との座談会を通じて、それぞれの仕事の魅力や働き方に触れることができます。参加者同士で気づきや感想を共有しながら、働くことや将来について考える2日間のプログラムです。
参加前は将来に対して不安も
参加前、アキさんのお母さんは「息子の将来がどうなっていくのか不安」とアンケートで答えていました。アキさんは当時、不登校の状態にあり、学校の職場体験にも参加できていなかったそうです。将来について考える機会が少ない中で、少しでも将来を考えるきっかけになれば、という思いで今回のイベントに参加してくれました。
1日目のアキさんは、グループワークでの発言も少なく静かに参加していました。そのためスタッフは、楽しめているだろうか、負担になっていないか、と少し心配しながら見守っていました。
少しずつ生まれた変化
1日目のプログラムでは、さまざまな仕事や生き方をする大人との出会いを通じて、「自分の将来を少し前向きに考えられるようになる」ことを大切にしています。
座談会では、各企業のスタッフから仕事の内容だけでなく、やりがいや失敗した経験、得意なことや苦手なことについても率直に話してもらいました。
アキさんはそういった大人たちの話にじっくりと耳を傾けていました。「今も苦手なことがある」「こんな失敗があった」と語る大人たちの等身大の姿は、アキさんにとって大人を身近に感じるきっかけになったのかもしれません。
また、参加者同士で気づきや感想を共有する時間も設けました。マイナビ財団では、他の参加者の考え方や価値観に触れながら、自分の気持ちや考えを言葉にする経験も大切にしています。アキさんも、そうした対話を重ねる中で、少しずつ自分の考えを話してくれるようになりました。
1日目の終わりには「思ったよりあっという間だった」と話してくれました。
私たちにとって、その言葉はとても印象的でした。アキさんがこの日を不安ではなく、自分らしく過ごせていたことが伝わってきたからです。

「楽しそうに働く大人」との出会い
2日目になると、アキさんにはさらに変化が見られました。
1日目よりも表情が柔らかくなり、自分からスタッフに話しかけてくれる場面が増えてきました。
特に印象に残ったのは、銚子丸本社での見学と握り体験でした。そこで働く社員の方々が、いきいきと楽しそうに仕事をしている様子がアキさんの心に強く残ったようです。
イベント後のアンケートやワークシートにも、「楽しそうに働いている大人が印象に残った」「自分もあんなふうに働いてみたい」と記してくれました。アキさんにとって印象的だったのは、仕事そのものよりも、いきいきと働く大人たちの姿だったのかもしれません。
「自分もあんなふうに働いてみたい」
将来への不安を抱えて参加したアキさん。イベントを通してさまざまな大人と出会い、自分の考えを言葉にしながら過ごした2日間は、未来を少し前向きに考えるきっかけになったようです。
将来やりたいことが見えたわけでも、進路が決まったわけでもありません。それでも、「楽しそう」「やってみたい」という気持ちを持てたことは、アキさんにとって大きな一歩だったように思います。
2日間を通じた多様な大人や仲間との出会いが、アキさんにとって将来を前向きに思い描けるきっかけになりました。マイナビ財団はこれからも、こどもたちが自分らしい未来を思い描くための体験や出会いを届けていきます。

※プライバシー保護のため、名前は仮名を使用しています。また、掲載している写真はイメージであり、ご本人とは関係ありません。
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◆関連イベントのイベントレポート
イベントレポート『おいしい舞台を社会科見学@お寿司屋さん』春の章2026
イベントレポート『おいしい舞台を社会科見学@お寿司屋さん』夏の章2026
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